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マゼール&クリーヴランド管/ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

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ベートーヴェン
交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」

指揮:ロリン・マゼール
クリーヴランド管弦楽団
ルチア・ポップ(S)
エレーナ・オブラスツォワ(Ms)
ジョン・ヴィッカース(T)
マルティ・タルヴェラ(Bs)
クリーヴランド・オーケストラ・コーラス
録音:1978年、マソニック・オーディトリアム

クリーブランドの技量の高さは、いまさらなにかを付け加えるまでもない。本盤でもラストで飛び散るピッコロの軽やかさは超オーディオファイル盤のひとつ。このオケに関しては、マゼールやドホナーニを飛び越えてセルの評判ばかりがいつも高いが、この第9の演奏はマゼールがセルを凌駕したとも思えます。

少し変わったベートーヴェン。室内楽的な第九。録音がオンマイクのせいか、各楽器の音は前に出てくる。オーケストラの編成が小さいのか、大きく音を広げるよりも、機動性・メリハリを重視した演奏になっている。とても個性的。壮大な音楽を小規模なものに凝縮していって、音楽のエッセンスを抽出しようとする感じ。やはりマゼールは一筋縄ではいかない。何か仕掛けないと気がすまないらしい。録音から44年も経過した現在の耳で聴いても大変に新鮮。「こんなのベートーヴェンじゃない」と云われそうな気もする。第1楽章と第2楽章はマゼールが意欲的に取り組んでいるのが伝わる。思い切り音楽を小さくしていこうとする感じ。独特の解釈と思う。ベートーヴェンの音楽を凝集していこうとする感じ。第3楽章はさすがに淡々と振っている感じ。このアダージョはベートーヴェン至高の音楽だからかな、マゼールはあまりいじっていない。テンポは速めで、やはりここでも室内楽風に演奏してゆく。フィナーレの冒頭は快速。アンサンブルは好調を維持。木管は特に美しい。「歓喜の歌」が出てきても速さは変わらず、しかもあまり歌わないのがマゼール流。室内楽的な雰囲気はラストまで変わらない。祝祭的ではなく、こじんまりと内輪で喜んでいる感じが面白い。4人の独唱陣は見事なもの。タルヴェラは貫禄の歌唱。ルチア・ポップはいつも通り澄んだ歌声で魅力的。合唱団の出来も上々。

【国内最初期盤】35DC 34
帯無し、盤面傷無し 

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カテゴリー:CD・DVD・ブルーレイ>>>CD>>>クラシック
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